三里塚闘争の開始からおよそ60年が経過した現在、成田空港の更なる機能強化に伴う新滑走路の建設等により、家屋等の移転が進み、2025年5月からは本格的な工事が始まりました。
本展示の企画者である写真家・佐方晴登氏および齊藤小弥太氏は、数年前より、かつて闘争が起きた三里塚地区と、今回の機能強化により姿を変えつつある多古町一鍬田地区に継続的に足を運び、過去の出来事に思いを馳せ、現在の空港拡張の様子を写真に収めてこられました。
当地にお住まいの方々や移転の対象となっている方々、また当館に訪れる皆さまにとって、本企画展が、過去の闘争や現在の情況に思いを巡らせていただく機会となれば幸いです。そして、「土地の記憶」の記録と伝承が、未来へと受け継がれていく一助となることを願っております。
【第19回企画展示】
開催期間:2025年7月23日(水)~11月3日(月・祝)(予定)
※1000部限定で小冊子配布予定(なくなり次第終了します)
【展示作家2名によるトークイベント】
開催日:2025年8月2日(土) 14:00~15:00
※参加をご希望の方は、当日「成田空港 空と大地の歴史館」へ直接お越しくださいませ。
【展示作家】
佐方 晴登 Sakata Haruto
2000年京都府生まれ、愛知県出身。名古屋ビジュアルアーツ写真学科作家専攻卒業。
写真家/アーティスト。現在愛知と東京の二拠点で活動中。 写真を「思考の触媒」として使用し、政治性を内包した表現を目指している。
近年は三里塚地区に継続的に足を運び、三里塚闘争の歴史、成田空港の機能強化で土地買収が進む地域を撮影した作品等を制作、発表している。
齊藤 小弥太 Saito Koyata
1986年神奈川県生まれ。日本写真芸術専門学校を卒業後、 スタジオ勤務を経てドキュメンタリー写真家として国内外問わず撮影を続けている。
2019年からは成田空港の第3滑走路新設に伴い失われゆく多古町一鍬田集落での撮影を行なっている。
時代の変化と共に変わりゆく人々の営みにカメラを向けている。