成田空港 空と大地の歴史館

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スタッフブログ

元地権者のお話

解説員のつぶやき

 先日、資料寄贈のお話を頂き、ご自宅を訪問しました。この方は元々空港用地の地権者で戦後入植され、大変ご苦労された方。当初はご自分のご苦労もさることながら、空港建設のやり方に納得出来ず、多くの方々と同様、空港反対の立場でした。
 しかし、国や空港公団(空港会社の前身)の話を聞き、羽田等を視察し実績を知るとともに、必ずしも農業適地とは言えない土地での将来を考えると、「農地死守」、「空港絶対反対」だけでいいのかと思い、住民が納得のいく方策は何かを考え、所謂条件付賛成への道を模索するようになりました。反面、周囲の反対派からは白い目で見られ、圧迫もあったようです。詳細には口を濁していましたが、表情には厳しいものがありました。
 成田空港関連の本等では、反対派からのものが多く、賛成派の方々の声を知る機会はほとんどありません。実際には空港予定地が決まって1年半弱で約90%の地権者が賛成だったこともあまり知られていません。反対運動の実態とともに、賛成された方々の言うに言われぬ苦悩や想いも是非知って頂ければと思います。

ITAHASHI