成田空港 空と大地の歴史館

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スタッフブログ

一つの流れもしくは時代の流れ

ある裁判から

 ある裁判判決から成田問題を見ていこうと決めましたが、それは重く数えきれないほどの歴史的時間の中から、どうやって切り口を見つけ出すか一つの大きな壁がありました。

 今年の十月、チェコを旅する機会があり、秋の気配漂うプラハの街を歩いていました。スメタナのわが祖国で有名なモルダウ川(現地ではヴルルタヴ川)のカレル橋を渡り旧市街に入り石畳みの狭い路地を抜けると、1968年プラハの春、チェコ事件で世界的に有名になったヴーツラフ広場に出ました。 そこには、50年前に起こったソ連軍を主体としたワルシャワ条約機構軍の戦車に向けて投石している市民の写真パネルが展示されていました。戦車と機動隊を入れ替えれば、成田と同じでないか。新聞ニュースでは知っていたが、まさにこの場所で世界を揺るがす出来事があったことの衝撃・・・・・・・・。

 その数年後、成田闘争も始まります。水面の波紋の広がりのように静かにあっという間に極東の地に到達したこと。驚きです。 思わず、中島みゆきさんの時代(1975年レリース)の「時代は回る~」というフレーズを口ずさんでしまいました。

 チェコスロバキアという国。モルダウ川の丘に建つ協会にスメタナ、ミシャ、ドボルザークが眠る。カフカの生まれたこの国。民族大移動、ビザンチン帝国、神聖ローマ皇帝、ハプスブルグ王朝による支配時代、宗教改革に端を発する宗教戦争、オーストリア・ハンガリー帝国の支配、オーストリア・半谷帝国の崩壊、チェコスロバキア共和国誕生、第二次世界大戦後の共産主義制化、1986年ベルリンの壁崩壊、その後20日余りで共産党政権の崩壊、民族紛争、1986年チェコ共和国誕生、EU加盟へと時代の波に翻弄された国、その国歌は静かでもの悲しさが漂う。

この1枚の写真が世界の者たち運動へ導くこととなった。
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KITO